スマホ写真の画素数は多いほど良い?後悔しないカメラ選びの新基準
数字が大きければ大きいほど、写真は鮮明になる。この直感的な思い込みこそが、メーカーのマーケティングが仕掛けた最大の罠だ。カメラの心臓部であるイメージセンサーの面積が限られているスマートフォンにおいて、極端な高画素化はむしろ致命的な弱点を生む。
理由は単純明快、光の物理限界にある。センサー全体のサイズを変えずに画素数だけを5000万画素から2億画素へと4倍に増やせば、1画素あたりが受け取れる受光面積は4分の1に激減する。受光量が減った画素は、わずかな電気信号を無理やり増幅させなければならない。結果として生じるのが、ざらついたカラーノイズとダイナミックレンジの破綻だ。昼間の直射日光下ではディテールが豊かに見えても、夕暮れや薄暗い室内に入った途端、塗り絵のような不自然な描写に落ちぶれるのはこのためである。
サムスン電子が開発したISOCELLセンサーは、隣接するピクセルを束ねて疑似的に1つの大きな画素として扱う「ピクセルビニング技術」でこの課題の克服を試みてきた。16個の画素を1つに統合して1250万画素相当として光を取り込むアプローチだ。だが、どれほど緻密な演算処理を施そうとも、物理的に大きな受光素子が素直に取り込んだ光の純度には及ばない瞬間が確実に存在する。