アキレス腱が痛い時のマッサージ法|直接揉むのは危険?痛みの真相
臨床現場の問診で非常に多く聞かれるのが、「朝起きるとアキレス腱が痛い」「布団から出て最初の一歩を踏みしめた瞬間にズキッと激痛が走る」という訴えです。歩行を続けて数十分経つと徐々に痛みが和らぐため放置されがちですが、これには明確な生理学的理由が存在します。
睡眠中、人の足首は自然と軽いつま先立ち(底屈位)になり、ふくらはぎの筋肉とアキレス腱は緩んで短縮した状態を保ちます。同時に就寝中は体温や血流量が低下するため、腱組織の柔軟性が著しく失われます。その硬直した状態のまま朝起きて急に体重をかけると、短縮していた腱が一気に引き伸ばされ、微細損傷を起こしている患部に強烈な牽引ストレスが加わります。
この朝の一歩目の激痛を繰り返すと、腱組織の変性が進行し慢性化へ移行します。起床前に布団の中で足指をグーパーと動かしたり、足首をゆっくり回して血流を促すなど、負荷をかける前の予備運動が不可欠です。