ペットボトルの容量はなぜ増えた?500Mlから600Ml化の真相と最新事情
食料品やお菓子が「価格据え置きで内容量を減らす(ステルス値上げ)」を行うケースが相次ぐ中、清涼飲料水業界が「容量を増やしている」ことに対して、SNS等では「飲料業界だけは良心的だ」と称賛する声が散見されます。しかし、この構造を冷静に分析すると、より巧妙な価格改定戦略が見えてきます。
清涼飲料水の製造原価において、中身の液体(お茶や水)そのものの原材料費が占める割合は極めて低く、大部分を占めているのはPET樹脂容器代、ラベル・キャップ代、輸送用ダンボール、そして物流運賃(トラック輸送費)です。メーカーにとって、中身の水分を100ml増やすコストは1本あたり数円にも満たない微々たる額です。
メーカー各社は2026年から2026年にかけて、希望小売価格の引き上げ(140円→160円→180円前後)を断行しました。その際、単に価格を20円上げるだけでは消費者に強い割高感を与えて買い控えを招くため、「価格は20円上がりますが、容量も500mlから600mlに増量しました」という打ち出し方を採用したのです。
消費者の生の声や評判を調査すると、以下のような二極化した反応が見られます。
- ポジティブな評価:「1日中オフィスで仕事をする際、夕方まで水分が持つので実質的にお得」「真夏の外回りでは650mlないと足りないので大歓迎」
- ネガティブな評価:「小さなカバンに入らない」「重くて持ち歩くのが億劫」「炭酸でもないのに飲みきれずぬるくなってしまう」
つまり、ペットボトルの大型化は単純な大盤振る舞いではなく、「価格改定の心理的ショックを和らげつつ、消費者の購買単価を底上げする」という高度なマーケティング戦略の一環として機能しています。