【2026年現地ルポ】100年の時を超えた温もり——なぜ今、若者と外国人が「大正湯」に魅了されるのか?
常時オンラインの生活に疲弊した若い世代にとって、銭湯は格好の避難所だ。浴室へのスマートフォン持ち込みはもちろん厳禁。水滴の跳ねる音、遠くで響く人々の話し声、そして薪で沸かしたお湯の柔らかい肌触りが、過熱した脳をじんわりとクールダウンさせていく。
「SNSの通知も、仕事のチャットも届かない完全な空白時間。それがこんな近所にあるなんて知らなかった」。都内のIT企業で働く20代の男性は、週に3回は銭湯に通う理由をそう語る。便利すぎる世界へのカウンターカルチャーとして、アナログの極みである銭湯空間が機能しているのだ。