飲んだら危険?薬の使用期限切れリスクと薬剤師直伝の保管基準
医薬品の期限を考える際、一般用医薬品(OTC医薬品)と医療機関から出される処方箋医薬品を同列に扱ってはならない。両者の設計思想と流通プロセスには決定的な違いが存在する。
ドラッグストアなどで購入する一般用医薬品(OTC医薬品)の外箱に印字された日付は、「未開封の状態で、適切な環境に保管された場合」の品質保証期間を指す。国内の製薬産業各社は、国家基準である日本薬局方の厳しい安定性試験に基づき、通常は約3年から5年の期限を設定している。ただし、一度開封して外気に触れた瞬間から酸化や吸湿が始まるため、開封後は半年から1年以内を目安に使い切るのが鉄則だ。
一方で、処方箋医薬品に印字された日数は全く異なる意味を持つ。処方薬は「医師が診察時の患者の状態に合わせて、処方日数分で飲み切ること」を前提に調剤されている。余ったからといって保管し、数ヶ月後の似たような症状で再利用することは想定されていない。粉薬(散剤)やシロップ剤、小分けにされた軟膏などは外気に触れており、劣化のスピードが極めて速いため、治療が終わった段階で破棄するのが正しい選択だ。