映画史に刻まれた狂気と情熱——二階堂ふみと新井浩文が対峙した「あの時代」とスクリーンが残した記憶

映画史に刻まれた狂気と情熱——二階堂ふみと新井浩文が対峙した「あの時代」とスクリーンが残した記憶の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

東日本大震災直後の情勢下で撮影された映画『ヒミズ』は、日本映画界にとっても、演じた役者たちにとっても特別な意味を持つ作品だ。社会の底底で絶望と戦う若者たちの叫びを描いた同作で、二階堂ふみが演じた茶沢景子と、新井浩文が演じた強烈な個性を放つ登場人物とのやり取りは、観客の息をのませる緊張感に満ちていた。

現場での二人のやり取りは、あらかじめ用意された台本をなぞるようなものではなかったという。役としてその場に生き、相手の表情や息遣い、微細な空気の変化に即座に反応し合う。二階堂ふみの持つ生々しい生命力と、新井浩文が漂わせる独特の陰影が衝突した瞬間、スクリーンには演技を超えたある種の「現実」が立ち現れていた。この作品が世界中で高い評価を受けた背景には、彼らの生身の感情がスクリーン越しに伝播してきたからにほかならない。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。