西野カナ『If』とナルトの絆とは?劇場版主題歌の真意と神曲の軌跡
『if』の歌詞は、表面上は切ない別れや出会いの尊さを歌ったラブソングの構造を取っています。しかし、『ザ・ロストタワー』の劇中展開と重ね合わせた瞬間、極めて重層的な意味を帯び始めます。
映画の核心は、抜け忍・ムカデを追って過去の都市「楼蘭」に飛ばされたナルトが、若き日の父・波風ミナト(四代目火影)と共闘する点にあります。過酷な運命を背負い、両親の愛を知らずに育ったナルトが、時空の歪みによってのみ許された「父との邂逅」を果たすドラマです。
サビで繰り返される「もしも出会わなければ」「もしもあの場所にいなければ」というフレーズは、時空を超えた出会いがいかに奇跡的であるかを強調します。そして物語の結末において、歴史の改変を防ぐために記憶を消去しなければならないミナトとナルトの別れが描かれます。「記憶は消えても、魂の絆は途切れない」というラストシーンの余韻に、『if』のストリングスと切なくも力強い歌声が重なることで、観客の涙腺を激しく刺激する演出構造が完成していました。