矢野顕子と坂本龍一の真実|結婚・離婚の深層と今明かされる愛娘との絆
複雑に入り組んだ坂本龍一家族構成の中で、二人の間に生まれた愛娘であるミュージシャン・坂本美雨の存在は、矢野と坂本を繋ぐ揺るぎない鎹(かすがい)であり続けました。
坂本龍一には学生時代の初婚相手との間に長女、矢野顕子との間に坂本美雨、そしてその後のパートナーとの間に長男(映像作家・空音央)らがおり、家族関係は多層的です。矢野自身にも坂本との結婚前に前夫との間に長男が誕生しており、二人はそれぞれのルーツと子どもたちを抱えながら、ひとつの家庭を築こうと試みました。
幼少期から両親の創作現場を間近で見てきた坂本美雨は、自著やインタビューの中で両親について極めて客観的かつ温かい視線で語っています。美雨の手記によれば、家庭内における両親は「いわゆる普通のパパとママ」ではなく、「同じ屋根の下に二つの巨大な宇宙が同居している状態」だったといいます。防音室から聴こえてくるそれぞれのピアノの音色が、時に共振し、時に激しく主張し合う環境の中で美雨は育ちました。
美雨がミュージシャンとしてデビューした際、坂本龍一プロデュースの楽曲(「The Other Side of Love」)で注目を集めましたが、その歌声の伸びやかさと表現力には矢野顕子の母性が確実に受け継がれていました。両親の別居や離婚を経ても、美雨を介して二人は定期的に連絡を取り合い、娘のステージや孫の誕生を祝う場では、穏やかな笑顔を共有していました。家族の形が法的に変わっても、親子の絆と敬意に満ちたファミリーシップは保たれていたのです。