50M走世界記録5.56秒の影に隠れたボルト最速スプリット
こうした科学的データの進化を、お茶の間やスマホの画面に届ける上で大きな役割を果たしたのが、現代のスポーツメディアである。
長年にわたり世界陸上の熱気をお茶の間に届けてきたTBSテレビの生中継では、レース直後に詳細な区間タイムや最高時速がグラフィックで表示され、ファンを熱狂させてきた。どの選手が50メートル地点でトップに立ち、そこからどのような逆転劇が生まれたのかを瞬時に視覚化する演出は、短距離走観戦の解像度を爆発的に高めた。
さらに、DAZNをはじめとする動画配信サービスの台頭により、ファンはいつでも世界最高峰の走りをコマ送りやスプリット分析とともに視聴できるようになった。100分の1秒を争うスプリンターたちの肉体美と初期加速の迫力は、メディアの進化とともに新たなエンターテインメントへと昇華している。