西部邁の自裁の真相と生涯|東大辞任の裏側から多摩川の最期まで
西部邁氏が説いた「保守」は、単なる復古主義や対米追従の右派言論とは根本的に異なります。同氏が最も忌み嫌ったのは、思考停止に陥った「アメリカニズム(市場原理主義・過度な個人主義)」と「大衆社会の軽薄さ」でした。
伝統、慣習、歴史への敬意を持ちつつ、自分自身の思考すら疑い続ける「平衡感覚(バランス感覚)」こそが保守の真髄であると説きました。この骨太な言論活動の拠点として創刊されたのが、雑誌『発言者』および後継の『表現者』です。
その遺志と知的格闘の場は、門下生である京都大学大学院教授・藤井聡氏らが引き継ぎ、現在は『表現者クライテリオン』として刊行が続けられています。グローバリズムの弊害や国家主権のあり方が問われ続ける現在、西部氏が残した警告の数々は、時代を先取りしていた慧眼として再評価を集めています。