猫アレルギーでも飼える猫はなぜ存在?サイベリアン等人気種の真相と対策
猫アレルギーの原因と聞くと、多くの人が「猫の抜け毛」そのものを思い浮かべがちです。しかし、免疫医学の観点における真の原因は、毛そのものではなく、猫の唾液腺や皮脂腺、涙腺、肛門腺から分泌される「Fel d 1(フェル ディー ワン)」というアレルゲンタンパク質です。
猫は起きている時間の約30〜50%を毛づくろい(グルーミング)に費やします。この際、唾液に含まれるFel d 1が全身の被毛に付着し、乾燥して微小なフケや毛の粉塵となって室内に飛散します。Fel d 1の粒子径は約2.5〜10ミクロンと極めて小さく、スギ花粉の約10分の1以下のサイズであるため、一度空気中に舞い上がると数時間にわたって室内を浮遊し続け、人間の気道や結膜に侵入して激しいアレルギー反応を引き起こすのです。
では、なぜ「猫アレルギーでも飼える猫」が存在するのでしょうか。その理由は大きく分けて2つあります。
第一に、「遺伝子レベルでFel d 1の産生量が極めて少ない猫種」が存在するためです。国内外のアレルギー研究機関による被毛および唾液中のタンパク質濃度測定によると、一般的な猫に比べてFel d 1の分泌量が半分以下、個体によっては数十分の1程度しか検出されない特殊な品種が確認されています。
第二に、「アンダーコート(下毛)の構造や抜け毛の少なさによって、アレルゲンの空気中への飛散を物理的に抑制できる猫種」がいるためです。これらの科学的根拠に基づき、アレルギー体質の人でも症状が軽微で済む、あるいは発症せずに共生できる猫たちが「低アレルゲン猫種」として認知されています。