歩くのと走るのではどっちが痩せる?脂肪燃焼の真実と最短ダイエット法
ウォーキングとランニングの根本的な違いは、移動速度だけでなく身体にかかる運動強度(METs:メッツ)と、体内で優先的に使われるエネルギー源にあります。国立健康・栄養研究所が提示する身体活動基準によると、通常の歩行(時速4km程度)は約3.0METs、早歩き(時速5.6〜6.0km程度)は約4.3〜5.0METs、一般的なジョギング(時速7〜8km程度)は約7.0〜8.3METsと定義されています。
消費カロリーの簡易計算式「エネルギー消費量(kcal) = 1.05 × METs × 運動時間(h) × 体重(kg)」に当てはめると、体重65kgの成人が30分間運動した場合の消費エネルギーは次の通りです。
・通常のウォーキング(3.0METs):約102kcal
・早歩き(4.5METs):約154kcal
・ジョギング・ランニング(7.0METs):約239kcal
単純な数値計算だけを見れば、同じ30分間なら走るほうが約1.5〜2.3倍のエネルギーを消費します。しかし、ここで見落としてはならないのが「有酸素運動における心拍数と脂肪燃焼効率」の関係です。
運動生理学の研究データが示す通り、人間が運動する際、強度が低〜中程度(最大心拍数の50〜65%程度)のゾーンでは、エネルギー源として「血中脂肪酸や体脂肪」が約50〜60%使われます。一方、息が切れるような高強度のランニング(最大心拍数の75%以上)になると、体内は酸素供給が追いつかずに無酸素運動の比率が高まり、即座に分解できる「血中グルコースや筋肉内のグリコーゲン(糖質)」が約70〜80%を占めるようになります。
つまり、「走る=脂肪がごっそり燃えている」わけではなく、短時間で大量の糖質を使い切っている状態に近いのです。糖質が枯渇すると脳は強烈な飢餓シグナルを出し、運動後に激しい食欲を引き起こす要因となります。