『もののけ姫』ジコ坊の正体と真の目的!唐かさ連を操る黒幕の影
物語の緊迫感を一気に高めるのが、タタラ場を率いるエボシ御前とジコ坊のあいだで交わされる危うい同盟関係だ。自立した理想郷を築こうとするエボシ御前に対し、ジコ坊は朝廷からの「石火矢衆」の貸与という破格の条件を提示して接近する。
ふたりの関係は決して固い絆などではない。互いの能力を認めつつも、いつ背後から刺されてもおかしくない高度な政治的駆け引きだ。エボシ御前はタタラ場の安全と自由を手に入れるためにシシ神の首を狙い、ジコ坊はその圧倒的な武力を利用して作戦の成功率を上げようとする。シシ神狩りの決戦において、このふたりの思惑が交錯するシーンの緊張感は、アニメーション映画の歴史に残る白眉の描写と言えるだろう。