憶良らは今は罷らむの現代語訳と文法解説!宴会途中退席の真相とは
この歌が定期テストや共通テスト対策で頻出となる最大の理由は、重要助動詞「む」と「らむ」が1つの短歌のなかに3回も登場し、それぞれの意味用法を厳密に見分ける必要があるためです。
句ごとの品詞分解と文法ポイントを詳細に整理します。
① 初句:憶良らは(名詞「憶良」+接尾語「ら」+係助詞「は」)
ここでの「ら」は、自称について自分をへりくだる「謙譲・自嘲の接尾語」です。「憶良めは」「私のような者は」というニュアンスを持ちます。
② 第二句:今は罷らむ(副詞「今」+係助詞「は」+ラ行四段動詞「罷る」未然形+助動詞「む」終止形)
ここでの助動詞「む」は、話者自身の行動を表すため【意志】(〜しよう、〜するつもりだ)となります。ここで一度文の意味が切れるため、本歌は「二句切れ」となります。
③ 第三句:子泣くらむ(名詞「子」+カ行四段動詞「泣く」終止形+助動詞「らむ」連体形)
助動詞「らむ」は、目の前にない現在の事態を推測する【現在推量】(今ごろ〜しているだろう)です。
④ 第四句:それその母も(代名詞「それ」+代名詞「その」+名詞「母」+係助詞「も」)
「その子の母親」、すなわち「私の妻」を婉曲的かつ親しみを込めて表現しています。
⑤ 第五句:吾を待つらむぞ(代名詞「吾」+格助詞「を」+タ行四段動詞「待つ」終止形+助動詞「らむ」連体形+係助詞「ぞ」)
ここでの「らむ」も【現在推量】です。文末の「ぞ」は強調を表す係助詞であり、本来であれば「待つらむぞ」の「らむ」は連体形として係り結びを形成しています。