【2026年現地ルポ】なぜ今「道の駅 にしかた」に大行列が?いちご王国・栃木のバイパス沿いで起きている食と体験の地殻変動
直売所の扉が開く30分前、すでにエントランス前には熱気あふれる人だかりができていた。目当ては、地元農家がその日の早朝に摘み取ったばかりの「とちあいか」や「スカイベリー」といった栃木を代表する完熟いちごだ。
市場に出回るいちごの多くは、流通時間を考慮して7〜8分実った段階で収穫されることが多い。しかし、ここでは真逆のアプローチが採られている。真っ赤に熟し、甘みが極限まで乗った完熟状態のまま店頭に並ぶのだ。手に取ると、甘酸っぱい濃厚な香りが鼻腔をくすぐる。ひとくち口に含めば、ジュワッとあふれ出す果汁。この圧倒的なフレッシュ感こそが、遠方からわざわざ足を運ばせる最大の理由である。
「朝一番に来ないと、人気の特大パックはすぐに売り切れてしまうんです」。東京から訪れていた40代の家族連れは、籠いっぱいにいちごを買い込みながら満足そうに笑った。