浅間温泉の奇跡から5年。「松本十帖」が提示する、地方創生ホテル経営の決定版と次世代の旅スタイル
浅間温泉の路地を歩くと、数年前までの静けさとは異なる活気が肌に伝わってくる。宿泊客が下駄を鳴らして街へ繰り出し、近隣の飲食店や歴史ある共同浴場を訪れる姿があたり前の風景となった。宿の内部で消費を完結させない「まちに開かれたホテル」というコンセプトが、完全に根付いた証拠だ。
敷地内に併設されたハードサイダー(リンゴ発酵酒)の醸造所やベーカリーは、宿泊客だけでなく地元住民の日常の場としても機能している。一軒の老舗旅館の再生から始まったプロジェクトは、周辺の空き家リノベーションや新規店舗の出店を誘発し、温泉街全体の価値を底上げするエコシステムへと発展を遂げた。