古希祝いの色はなぜ紫?70歳の意味や喜ばれるギフト&マナー徹底解剖
なぜ70歳の古希には赤ではなく紫が用いられるのか、その根底には東洋の歴史と日本の伝統的な色彩文化が深く関わっています。
70歳長寿祝い由来の原点は、8世紀の中国・唐代を代表する詩人・杜甫の詩『曲江(きょっこう)』の一節「酒債は尋常行く処に有り 人生七十古来稀なり(酒代のツケは行く先々にあるが、70歳まで生きる人間は昔から極めて稀である)」にあります。当時、70歳まで生きることは奇跡的な長寿であり、極めて尊い存在でした。
日本において紫色が特別な意味を持つようになった契機は、飛鳥時代に聖徳太子が制定した「冠位十二階」です。この制度で紫は最高位の官位を示す色と定められ、皇族や高僧など限られた特権階級のみが身につけることを許された「禁色(きんじき)」でした。また、紫草の根から抽出する紫染めは高度な技術と多大な手間を要したため、染料としても極めて貴重でした。
この歴史的経緯から、古希祝い紫色理由は「稀に見る長寿を達成した方への最高の敬意」「威厳と気品への賛美」、そして古来信じられてきた「病魔を祓う厄除け・魔除け」の3つが融合したものと解釈されています。
ここで押さえておきたいのが、還暦と古希の色違いおよび喜寿祝い色との違いです。
還暦(60歳)は十干十二支が60年で一巡し「生まれた年の暦に還る(赤ちゃんに戻る)」という意味から魔除けの「赤」を用います。これに対し、70歳の古希は「尊い長寿者への敬意」を表すため「紫」へと昇華します。なお、77歳の喜寿も古希と同じく「紫」が基調とされますが、地域や風習によっては「黄・紺」が用いられる場合もあり、70歳と77歳では祝福のニュアンスに微細な違いが存在します。