画面の向こうの「完璧な振付」に飽きた若者たち――なぜ今、予定調和を破壊する表現が世界を揺らすのか
ブレイキンが正式種目として世界中の注目を集めたのは記憶に新しい。しかし、スポーツとしての洗練が進む一方で、ストリートの現場からは違和感の声も上がっていた。技の難易度やクリーンさで点数がつけられ、順位が決定していくシステム。それはダンスを普及させた一方で、ある種の「野生味」を奪い去ったのではないかという懸念だ。
採点基準など存在しない場所で、ただ純粋に自己を表現する。この原点回帰の動きが、アンダーグラウンドなバトルイベントの急増につながっている。ジャッジの目線を気にする必要はない。対峙する相手と、背後で鳴り響く重低音。必要なのはそれだけだ。ルールがないことこそが、最大のルールなのである。