激変する発信者の世界:大手事務所の再編と収益化のリアルな裏側
市場の転換点を最も象徴しているのが、マネジメント事務所を取り巻く大再編だ。かつてクリエイターの囲い込みで市場を席巻したUUUM株式会社をはじめとするMCN(マルチチャンネルネットワーク)モデルは、根本的なビジネスモデルの刷新を迫られている。所属タレントへの広告配分やグッズ販売に頼る従来の手法は限界を迎え、M&Aや非公開化、事業の多角化へと舵を切る動きが相次ぐ。
背景にあるのは、仲介手数料に対するトップ層の離反と、企業側の費用対効果へのシビアな眼差しだ。これまで莫大な予算が投じられてきたインフルエンサーマーケティングだが、単に商品を持たせてポーズを取らせるだけの施策は、購買に結びつかないことが露呈した。結果として、中間マージンを嫌ったトップクリエイターの独立が進み、事務所側は生き残りをかけて「タレント事務所」から「IP開発・コマース支援会社」への脱皮を急いでいる。
個人の力で経済圏を回すクリエイターエコノミーの台頭は、既存の勢力図を完全に塗り替えた。広告プラットフォームからの分け前を待つ受動的な稼ぎ方から、自らブランドを立ち上げ、顧客と直接取引を行うDtoCビジネスへの移行が本格化している。