山の神・柏原竜二の現在|伝説のごぼう抜きから引退の真相と今を追う
柏原竜二氏の名前が一躍全国区となったのは、2009年の第85回箱根駅伝でした。1年生ながら過酷な山上りの5区を任された柏原氏は、トップと4分58秒差の9位でタスキを受けると、前の走者を次々と捉える驚異の走りを披露。実に「8人抜き」の猛烈なごぼう抜きを演じて往路優勝のゴールテープを切り、東洋大学史上初となる総合優勝の立役者となりました。
当時の記録は従来の区間記録を47秒も更新する1時間17分18秒。前傾姿勢で険しい坂を力強く駆け上がる姿は見る者に強烈な衝撃を与え、順天堂大学の今井正人氏に続く「二代目・山の神」の称号が定着しました。
柏原氏の真骨頂は、その強さが一発屋にとどまらなかった点にあります。2年目には自らの記録を更新する1時間17分08秒で7人抜きを達成。強風が吹き荒れた3年目も危なげなく区間賞を獲得し、主将として迎えた4年目(2012年)には1時間16分39秒という異次元のコースレコードを樹立しました。「4年連続5区区間賞」「東洋大学の総合優勝3回牽引」という圧倒的な実績は、箱根駅伝の歴史において唯一無二の金字塔です。