【2026年最前線】地場産業の息吹を取り戻せ:東濃信用金庫が挑む「金利ある世界」の地域共創戦略
「金利が上がる」という事実は、地方の中小企業にとって諸刃の剣だ。金利のある世界へ戻ったことで、銀行や信用金庫の収益構造は正常化しつつある。だが、経営体力が十分でない地元の老舗企業にとっては、わずか0.5%の金利上昇すら死活問題に直結しかねない。
東濃地方の基幹産業である美濃焼メーカーや精密機械加工工場では、設備投資の資金繰りをめぐり葛藤が続いていた。これまで通りの金利感覚で融資を受けていれば、返済計画は容易に破綻する。そこで求められたのは、金融機関による精緻な事業性評価と未来を見据えたアドバイザリー機能だった。
数値上の試算だけで貸し渋るのではなく、事業者の持つ独自の技術力や将来的な販売チャネルを正当に評価する。現場の工場へ足繁く通い、職人の手元を見つめながら対話を重ねる泥臭いスタイルが、いま改めて見直されている。