葬式で寿司を出す理由は?通夜振る舞い定着の歴史とタブーの真相

葬式で寿司を出す理由は?通夜振る舞い定着の歴史とタブーの真相の背景について、専門知識を詳しくお届けします。

通夜の儀式が終わった後に開かれる「通夜振る舞い」において、大皿の桶に入った握り寿司や「助六寿司」を目にする機会は非常に多いです。この配膳スタイルにも明確な理由が存在します。

通夜振る舞いは、参列者が故人と最後の食事を共にすることで成仏を祈り、遺族と悲しみを分かち合う「供養の儀式」としての側面を持ちます。寿司が大皿の「桶(おけ)」で提供される由来は、大勢の弔問客が各自の滞在時間や食欲に合わせて自由に箸を伸ばせるようにした配慮から生まれました。個別の膳を用意すると、滞在時間がわずか数分の参列者に対応しきれず、大量の食品ロスが発生してしまうためです。

また、お通夜で定番となっている助六寿司(いなり寿司と巻き寿司の詰め合わせ)には、精進料理の精神が色濃く残っています。油揚げ(大豆)と酢飯、海苔や干瓢(かんぴょう)といった植物性食材のみで作られるため、生魚を使わない「清らかな精進の食事」としての意味合いを保ちつつ、手軽にエネルギーを補給できる実用食として重宝されてきました。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。