発熱してすぐ病院へ行くのは逆効果?医師が教える受診の最適タイミング
悪寒とともに体温が急上昇すると、一分一秒でも早く診察を受けたいと考えるのが自然な心理です。しかし、臨床の現場において発熱すぐ病院NGな理由として最も強調されるのが、迅速検査の検出感度不足です。
インフルエンザや新型コロナウイルスの抗原定性検査は、鼻腔や咽頭に存在するウイルスの「一定以上の量」を検出する仕組みになっています。体温が上がり始めた初期段階では、ウイルスが体内で急激に増殖している最中であり、検査機器が感知できる閾値に達していません。そのため、発熱から数時間で検査を受けても「陰性」と判定される確率が極めて高く、実際には感染しているにもかかわらず「偽陰性」となって安心し、周囲へ感染を広げてしまう事例が後を絶ちません。
加えて、発熱直後に体力を振り絞って外出することは、免疫システムが病原体と戦うためのエネルギーを奪う行為に他なりません。混雑する待合室で長時間を過ごせば、別の病原体に重複感染する二次被害のリスクも跳ね上がります。
自宅で安静を保ちつつ、体を休める際に気になるのが解熱剤飲むタイミングです。発熱自体は、侵入したウイルスや細菌の増殖を抑えるための生体防御反応です。そのため、38度を超えたからといって機械的に解熱剤を服用する必要はありません。日本感染症学会などの見解でも、「38.5度以上で頭痛や倦怠感が激しく、眠れない・水分が摂れないとき」に頓服として使用することが推奨されています。解熱剤は病気そのものを治す薬ではなく、一時的に苦痛を和らげて休息と水分摂取を助けるための手段であると認識しておくことが大切です。