なぜチワワが警察犬に?合格の真相と桃吉の現在・小型犬の役割

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チワワをはじめとする小型警察犬に対して投げかけられがちな「犯人に噛みつけないではないか」という疑問は、前述の通り捜索活動の実態を見誤ったものです。むしろ、現代の捜査や人命救助の現場では、大型犬には絶対に代行できない超小型犬ならではの戦術的役割が確立されています。

筆者が警察関係者および災害救助関係者を取材したところ、現場から最も強く挙げられたのが「瓦礫・倒壊家屋の狭隘(きょうあい)部における進入捜索能力」でした。大規模地震や土砂崩れの現場において、30キログラム超のシェパードが隙間に入り込もうとすると、自重や身動きによって二次崩落を誘発するリスクがあります。一方、体重3キログラム前後のチワワであれば、大人が腕を差し込む程度の隙間から軽々と内部へ潜入し、要救助者の呼気や体臭を検知することが可能です。

さらに見過ごせないのが、要救助者に対する「心理的アプローチ」の優位性です。山林や市街地で行方不明になった認知症の高齢者や、怯えている幼い子どもを発見した際、黒く巨大なシェパードが突進してくればパニックを起こし、逃走やショック状態を招きかねません。これに対し、小型犬であれば警戒心を抱かせることなく、穏やかにその場へ留まらせることが可能になります。実務上、この「威圧感のなさ」は捜索活動における強力な武器となっています。

加えて、運搬性の高さも見逃せません。悪路や山岳現場において、指導手が専用のキャリーバッグや抱っこ紐で現場直近まで運ぶことができるため、現場に到着するまでに犬自身の体力を無駄に消耗させないという、運用上の実利的なメリットも存在します。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。