漁師の平均年収はいくら?年収1000万の真相と遠洋・沿岸の格差

漁師の平均年収はいくら?年収1000万の真相と遠洋・沿岸の格差の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

かつて「借金返済の最終手段」などと都市伝説的に語られてきた遠洋マグロ漁船。その現代における給与実態と労働環境はどのようなものなのでしょうか。

業界団体の求人資料および現役乗組員の証言によると、遠洋マグロはえ縄漁船の給与体系は、未経験スタートの新人船員で月額固定給20万〜25万円前後+航海ごとの水揚げ奨励金(歩合)が基本設定となっています。1回出航すると約10ヶ月から1年間は港へ戻れません。しかし、航海中の食費・光熱費・住居費はすべて船主持ちとなるため、生活費がほぼゼロになります。1年間の航海を終えて日本へ帰港した際、手元に450万〜600万円の現金が丸々残るという構造です。さらにキャリアを重ねて甲板長や機関長、最高責任者である「漁労長(船長)」に上り詰めれば、水揚げ次第で年収1500万〜2500万円を叩き出す凄腕も実在します。

一方、海外ドキュメンタリー番組などで有名なベーリング海やオホーツク海のカニ漁は、漁期が冬の数ヶ月間に集中する超高密度・超危険労働の極致です。氷点下の荒海、巨大な鉄製ケージ(ポット)が揺れる甲板での作業は一瞬の油断が命取りとなるため、基本給に加えて高額な「危険手当」が支給されます。わずか2〜3ヶ月の操業期間で数百万円を稼ぎ出す季節船員も存在しますが、不眠不休に近い過酷なシフトと身体的リスクを天秤にかけた対価といえます。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。