松山鯛めし二大流派の決定的な違いとは?地元民が通う名店ルポ

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名湯として知られる道後温泉の界隈から路地裏へ少し足を踏み入れると、観光客向けの派手な看板を掲げずとも、地元客で連日満席となる割烹や食事処が静かに佇んでいる。今回取材班が訪れたのは、創業半世紀を超える路地裏の隠れ家だ。

注文が入ってから一合ずつ伊賀焼の土鍋で炊き上げられる松山鯛めしは、運ばれてきた瞬間から別格の存在感を放つ。蓋を開けると、黄金色に輝くご飯の上にふっくらとした鯛の身が横たわり、三つ葉の爽やかな香りが立ち上る。しゃもじを入れると、底からパリッとした見事なおこげが顔を出した。

一口含むと、上品な昆布出汁の奥から真鯛特有の力強いコクが押し寄せる。塩味は極めて控えめでありながら、魚の旨味だけでここまで米が力強くなるのかと息を呑む。途中で供される鯛の潮汁を少し回しかけ、茶漬け風にサラサラと流し込めば、出汁の輪郭がさらに際立ち、最後の一粒までため息が出るほどの完成度だった。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。