話題沸騰中の 奇跡のカウンターテナー米良美一、病と葛藤の先に見つけた至高の響き——2026年、進化し続ける魂の歌声について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。
詳細を見る順風満帆に見えたキャリアに、突如として暗雲が立ち込めたのは2014年末のことだった。くも膜下出血に倒れ、一時は生命の危機すら囁かれた。意識が戻った後も、身体の自由や歌手にとって何より命である「声」が以前のように戻るのか、誰もが息をのんで見守った。
過酷なリハビリの日々は、言葉にできないほど壮絶を極めたという。呼吸法の一からやり直し、体のバランスを再構築する過程で、彼は自らの声帯と一から対話し直すこととなった。そして数年の時を経て舞台へと戻ってきた彼の歌声には、かつての繊細さに加えて、地を這うような力強さと温もりが宿っていた。