2026年、人類が再び挑む「38万キロの深淵」——月と地球の距離に隠された知られざる真実と最新科学
知られざる事実がある。月は毎年、静かに地球から去り続けているのだ。その距離は年間およそ3.8センチメートル。ちょうど人間の爪が伸びる速さとほぼ同じペースだ。
原因は地球と月の間で働く「潮汐(ちょうせき)摩擦」にある。地球の海水が月の引力によって引っ張られ、地球の自転にブレーキをかける。その失われた回転エネルギーが月の公転エネルギーへと変換され、月をより外側の軌道へと押し出しているのだ。今から約40億年前、誕生したばかりの月は地球からわずか2万4,000キロほどの至近距離にあり、空の半分を覆い尽くすほどの超巨大な姿で見えていたと考えられている。逆に言えば、遠い未来の地球では、月が小さくなりすぎて皆既日食が見られなくなる日が訪れる。