鬼才・大島渚の代表作を徹底解剖!戦メリや愛のコリーダの真相と名作選
大島渚の作家性を語る上で外せないのが、伝統的な映画文法を破壊し続けた革新的な試みです。1960年代初頭、閉塞した日本映画界に反逆の狼煙を上げた大島監督は、松竹ヌーヴェルヴァーグ映画の中心人物として脚光を浴びました。
その代表格である『青春残酷物語』(1960年)は、安保闘争の挫折感を背景に、疾走する若者たちの虚無と暴走を鮮烈な色彩と斬新なカメラワークで捉え、映画界に世代交代を告げる衝撃を与えました。その後、松竹を退社して独立プロダクション「創造社」を設立した大島監督は、より先鋭的なテーマへと踏み込んでいきます。
1968年の『絞死刑』は、死刑制度と在日朝鮮人問題をブラックユーモアと前衛的な演劇手法で鋭くえぐり出した意欲作です。死刑執行に失敗した死刑囚の処遇を巡り、国家権力や国家意識の欺瞞を徹底的に暴く構造は、現代の映画研究においても絞死刑大島渚考察として極めて高い評価を受け続けています。
そして1999年、脳出血による半身麻痺を乗り越えて完成させた遺作が『御法度』です。幕末の新選組を舞台に、美貌の美少年剣士の入隊によって揺らぐ隊士たちの規律と狂気を描き出しました。当時若干15歳でスクリーンデビューを飾った松田龍平の圧倒的な透明感と妖艶さは日本アカデミー賞新人俳優賞を総なめにし、大島監督の審美眼が最期まで研ぎ澄まされていたことを証明しました。