ソフト&ウェットの真髄!奪う能力の謎と最強進化ゴー・ビヨンドの真相
『ジョジョ』シリーズの大きな魅力である洋楽オマージュにおいて、ソフト&ウェットの元ネタとなったのは、孤高の天才ミュージシャン・プリンス(Prince)が1978年に発表したデビューアルバム『愛の自白(For You)』の先行シングル曲「Soft and Wet」です。
プリンスが生涯を通じて探求した「官能性、身体性、そしてジャンルや既存の枠組みを融解させる流動的なサウンド」は、定助のスタンドが持つしなやかで捉えどころのないデザインや、水・しゃぼん玉という流動的なモチーフと深く呼応しています。荒木飛呂彦氏はかねてよりプリンスの熱心なファンとして知られており、第4部の東方仗助(クレイジー・ダイヤモンドの胸のマーク)や第5部のゴールド・エクスペリエンスのデザインにもその影響が見られます。
さらに思想的側面において、第8部全体のテーマは「呪いを解く物語」であり、自らの出自を持たない定助が「自分は何者なのか」を獲得していく実存的な闘争でした。柔らかく湿った(Soft and Wet)無垢な状態から始まり、世界の冷徹な理を乗り越えていく(Go Beyond)プロットは、作家・荒木飛呂彦の成熟した人間讃歌の結晶といえます。