東京佐川急便事件の衝撃!金丸信失脚と闇社会介入の真相を暴く
事件の骨格を理解するために、まずは経済事件としての側面を整理します。東京佐川急便事件をわかりやすく言えば、「急速に巨大化した運送会社のエース子会社社長が、暴力団関係企業などに野放図な巨額融資や債務保証を繰り返し、会社に天文学的な損害を与えた特別背任事件」です。
主犯格となったのは、東京佐川急便の代表取締役社長を務めていた渡辺広康でした。渡辺は卓越した営業手腕で同社を急成長させ、京都の本家である創業者・佐川清会長の直轄体制を脅かすほどの勢力を誇っていました。しかしその裏で、渡辺はバブル経済の熱狂に乗じ、親密な関係にあった指定暴力団・稲川会の石井進第二代会長(1991年9月病死)が実質支配するゴルフ場開発会社「イチ进」や不動産会社などに対し、巨額の資金提供を行っていたのです。
東京地方検察庁特別捜査部(東京地検特捜部)が乗り出し、渡辺元社長ら旧経営幹部4人を商法の特別背任容疑で逮捕・起訴したのは1992年2月のことでした。立件された債務保証・融資の総額は実に4395億円に達し、そのうち約1000億円が回収不能の焦げ付きとなりました。この天文学的な損失により、創業者である佐川清はグループ会長からの引退を余儀なくされ、佐川急便グループ全体が再編へと追い込まれる大激震が走ったのです。