臨床心理学者・東畑開人はなぜ読まれるのか?『聞く技術』とケアの本質
Q1:東畑開人氏の本を最初に読むなら、どれが一番おすすめですか?
A1:一般読者には『聞く技術 聞いてもらう技術』(ちくま新書)が最も親しみやすく実践的です。日常の会話や家族・同僚との関係に直結する知恵が詰まっています。もう少し深く、思想や生きづらさの本質に触れたい場合は、大佛次郎論壇賞を受賞した代表作『居るのはつらいよ』(医学書院)に進むのが王道のルートです。
Q2:白金高輪カウンセリングルームで本人によるカウンセリングは受けられますか?評判はどうですか?
A2:主宰者の東畑氏本人による面接枠は、大学での教育・研究活動や執筆活動を並行しているため非常に限られており、新規受付は時期によって制限されています。ただし、同ルームには厳選された専門職が所属しており、丁寧なアセスメントと倫理的で誠実な対応に定評があります。「奇跡的な治癒」を安売りしない地に足の着いた臨床方針が、利用者や同業者から高く支持されています。
Q3:『居るのはつらいよ』が大佛次郎論壇賞を受賞した理由は何ですか?
A3:単なる臨床現場のエッセイにとどまらず、沖縄の精神科デイケアでの経験を通じて「ケア(生活を支え、共に居ること)」と「セラピー(問題を治療し、変容させること)」の力関係を解剖し、効率至上主義や成果主義に傾斜する近代社会の構造的欠陥を見事に告発した論考として高く評価されたためです。
Q4:保有資格や専門領域はどのようなものですか?
A4:国家資格である「公認心理師」および日本臨床心理士資格認定協会の「臨床心理士」の双方を保持しています。学術的な専門は「精神分析」と「医療人類学」であり、個人の深層心理の分析と、文化や共同体が心に与える影響の探究を高次元で架橋した臨床アプローチを特徴としています。