小山明子の現在と大島渚の介護うつ克服|91歳の終活と息子の絆
大島渚と小山明子の間には、二人の優秀な息子が育ちました。長男の大島武氏は、大手企業勤務を経て大学教授となった経営学者。次男の大島新氏は、映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』や『香川1区』などで国内外の映画賞を受賞し、現代日本を代表するドキュメンタリー映画監督として確固たる地位を築いています。
注目すべきは、母と息子たちの間に流れる風通しの良さです。小山明子は、息子たちに対して過度な干渉や同居の強要を一切行いませんでした。父の介護の最中も、息子たちそれぞれの家庭や仕事を尊重し、互いを一人の独立した大人として遇する姿勢を貫きました。次男の新監督もメディアの取材に対し、母の強さと脆さを客観的に見つめながら、深い敬意を口にしています。
こうした等身大の経験が凝縮された『パパは、死ぬまで輝いていた』をはじめとするエッセイ本や全国各地で開催されてきた講演会は、シニア層だけでなく40〜50代の現役ケアラーからも熱狂的な支持を集めています。講演の現場を訪れた聴講者からは、次のような共感の声が絶えません。
「女優さんだから特別な暮らしをしているのかと思っていたが、介護の泥臭い苦しみや『死にたいと思った』という本音を聞いて救われた」「家族を愛しているからこそ離れる時間が必要だという言葉に涙が出た」といった感想がSNSやアンケートに並びます。虚飾を排した生の言葉こそが、彼女の講演が何年経っても色褪せない理由です。