近江町市場コロッケで一番美味い具材は?名店の味と実態を徹底取材
近江町市場でこのコロッケを販売しているのは、看板に「世界の食品 ダイヤモンド」と掲げる老舗企業(有限会社ダイヤモンド)です。一見すると市場の魚屋や八百屋とは一線を画すユニークな屋号ですが、そのルーツは食肉や輸入食材、高級デリカテッセンをいち早く金沢に根付かせたパイオニアにあります。
この店が長年にわたり支持される技術的根拠は、「冷めても旨い、揚げたては劇的に旨い」という衣と具材の水分バランスにあります。関係者の証言や厨房のオペレーション観察からも明らかなように、使用するパン粉は粗挽きの焙焼パン粉を採用。揚げ油の温度は175度から180度の間で厳密に管理され、注文の回転が速い時間帯には次々と揚げたてがショーケースへ補充されます。
「観光地の揚げ物は油が回って胃もたれする」という先入観を持つ人もいますが、ダイヤモンドのコロッケは油切れが極めてシャープです。特に牛肉のミンチやエビの水分が衣に移らないよう、タネの段階で極限まで水分を飛ばし、急速冷却で旨味を凝縮させてから衣付けを行うという精肉店由来の職人技が息づいています。単なる観光地スナックではなく、確立された惣菜づくりの哲学がそこにあります。