英国大使館別荘記念公園の全貌とカフェ案内|混雑回避の最新知識
中禅寺湖南岸のなだらかな斜面に建つ英国大使館別荘記念公園の起源は、幕末から明治にかけて活躍した英国の外交官、アーネスト・サトウ(Ernest Mason Satow)の個人山荘に遡ります。彼は日本各地の山岳を愛した黎明期の登山家でもあり、自著や書簡の中で「この土地の風景は、世界中の名勝と比べても決して見劣りしない」と中禅寺湖の清涼な気候と景観を絶賛しました。1896年(明治29年)に建てられたこの山荘は、後に英国政府に買い上げられ、2008年(平成20年)まで歴代の駐日英国大使が夏の避暑地として代々受け継いできた特別な空間です。
その後、栃木県へ寄贈された建物を調査・復元し、2016年に記念公園として公開されました。外観は日光杉の柱や梁を活かしつつ、外壁を黒塗りの下見板張りで覆ったシックなデザインが特徴です。和の建築技術と英国のカントリーハウスの様式が完璧に融和した佇まいは、周囲を取り囲むカラマツやミズナラの自然林と調和し、建物そのものが中禅寺湖の風景を構成する重要なピースとなっています。
館内に足を踏み入れると、木の香りと柔らかな自然光が訪問者を包み込みます。1階にはアーネスト・サトウの足跡や外交官たちの避暑生活を伝える展示室、外交儀礼に使われた暖炉付きのリビングルームが忠実に再現されており、当時の社交界の空気を肌で感じ取ることができます。