横浜プリンスホテル閉館の真相と跡地の現在|名門が消えた理由

横浜プリンスホテル閉館の真相と跡地の現在|名門が消えた理由の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。

惜しまれつつ閉館を迎えた後、地元関係者や建築ファンが注視したのが横浜プリンスホテル解体経緯と広大な敷地の行方でした。海を見下ろす約13万平方メートル(東京ドーム約2.8個分)の広大な丘陵地は、民間デベロッパーによる激しい入札の末、東京建物株式会社を代表企業とする共同企業体(JV)へ売却されました。

2010年頃から円形タワーの本格的な解体工事が開始。曲面ガラスや螺旋階段など贅を尽くした建築物は姿を消し、丘陵地を大規模に造成し直す国家規模の再開発が進められました。そして誕生したのが、現在この地に広がる超大規模分譲マンションブリリアシティ横浜磯子(総戸数1,230戸、地上10階建て・13棟構成)です。

この再開発において極めて秀逸だったのは、かつてのホテルの弱点であった「磯子駅からの急勾配」を劇的に解消した点です。JR根岸線「磯子駅」前から丘の上の居住区まで垂直に登る直通エレベーター棟(地上・地下高低差約60m)を新設。敷地内にはスーパーマーケット「スズキヤ」やクリニック、認可保育園、各種コミュニティ施設を完備し、単なる集合住宅の枠を超えたひとつの独立した「街」を作り上げました。

プリンスホテル磯子現在の様子を現地で定点観測すると、ホテルの面影は建物の外観からはほぼ消滅しているものの、敷地内の随所に植えられた桜の並木や、海を見下ろす圧倒的な眺望の軸線はそのまま引き継がれています。かつてのリゾートホテルのDNAが、ハイエンドな住宅地の景観設計として見事に再定義されていることが分かります。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。