映画『全員死刑』の真相と大牟田4人殺害事件の現在!一家死刑判決の深層
スクリーンに映し出された狂気と暴力の奔流に、多くの観客が息を呑んだ映画『全員死刑』。その実話元ネタこそが、2004年9月に福岡県大牟田市で起きた大牟田4人殺害事件の真相です。発端は、元暴力団専従組長だった父親と母親が抱えていた多額の負債でした。金銭的に追い詰められた一家が標的に定めたのが、貸金業を営み多額の現金を保有していると目されていた知人女性とその家族でした。
事件は一度の凶行にとどまりませんでした。2004年9月16日、一家は知人女性の次男を自宅に呼び出して絞殺したのを皮切りに、その場に居合わせた次男の友人の少年までも口封じのために殺害。遺体を川へ遺棄しました。さらに数日後の9月21日には、標的本尊であった女性を殺害し、さらに現場に戻ってきた長男までも銃撃・絞殺して川底へと沈めたのです。わずか数日間のうちに4名もの尊い命が、同一の家族の手によって奪われました。
この戦慄すべき犯罪の記録を一冊の書物に結実させたのが、裏社会取材の第一人者であるジャーナリストの鈴木智彦氏によるノンフィクション『我が一家全員死刑』(小学館文庫)です。獄中の次男との膨大な往復書簡と直接接見を重ねて書き上げられた同書は、凄惨な暴力描写の奥にある家族の異常な心理力学を暴き出し、のちの映画化へとつながる決定的な原典となりました。