サッカー選手がタバコを吸う謎|愛煙家の実名とスヌース流行の真相
どれほど個人の自由や精神安定を主張しようとも、スポーツ医科学の視点から見れば、タバコがアスリートの心肺機能に及ぼす影響は純然たるマイナスです。煙に含まれる一酸化炭素は、酸素の運搬を担う赤血球中のヘモグロビンと強力に結合し、全身の酸素運搬能力を直接的に低下させます。
最大酸素摂取量(VO2 max)がピッチ上の走行距離やハイインテンシティ・ラン(高強度走行)の回数に直結する現代フットボールにおいて、ヘモグロビンの機能阻害はスタミナの枯渇を早める決定打となります。さらに、気道の慢性的な炎症や微細血管の収縮は、試合終盤のラスト15分間におけるダッシュ力や、激しい接触プレー後の乳酸除去(リカバリースピード)を確実に遅らせます。
「それでも走れるスター選手がいるではないか」という反論は、生理学的な優位性ではなく、個人の特異な才能に依存した結果に過ぎません。驚異的な心肺容量や天性の脱力スキルを持つ一握りの天才が、喫煙によるマイナスを差し引いてもなお常人を上回る数値を叩き出しているだけであり、同等の才能を持つ非喫煙者と比較した場合、持続的なパフォーマンス維持に差が出ることは医学的見地から明白です。