在日に多い苗字の噂と真相|左右対称説や通名制度の歴史を徹底解明
ネット黎明期のテキストサイトや匿名掲示板から、現代のショート動画やSNSに至るまで、「特定の苗字を持つ著名人や一般人は在日コリアンである」と断定する投稿が後を絶ちません。検索エンジンにおいても「在日 苗字 一覧 噂」や「在日 苗字 特徴」といった複合キーワードが高い検索ボリュームを保ち続けています。
なぜ、これほどまでに苗字にまつわる言説が流通し続けるのでしょうか。その背景には、戦後日本における通称名(通名)の存在と、ネット空間特有の情報増幅バイアスが深く関係しています。
歴史的に見ると、在日韓国・朝鮮人の方々が日本社会で生活する際、本名(韓国・朝鮮の本姓)とは別に日本式の氏名(通名)を使用してきた事例は数多く存在します。その中で、ルーツである本姓の一文字を活かした苗字(例えば「金」から「金本」「金田」「金村」、「朴」から「新井」、「張」から「張本」など)を通名として選ぶケースが一定数見られたことは事実です。
しかし、ネット空間ではこの「一部の選択傾向」が極端に誇張・一般化され、あたかも「その苗字を持つ人全員が在日である」かのような一覧表が作成され、無批判に拡散されていきました。さらに、日本古来のポピュラーな苗字までがリストに組み込まれることで、デマの網の目は際限なく拡大していったのです。