ローソンの鍋焼きうどんはまずい?売ってない理由とIh調理の真相
これほど完成度の高い技術が投入されているにもかかわらず、SNSや検索コミュニティで「まずい」という極端な評価が散見されるのはなぜでしょうか。現場の調理実態とユーザーの生の声をつぶさに分析すると、そこには2つの明確な理由が浮かび上がってきます。
第1の要因は、出汁の設計思想と地域的な味覚のミスマッチです。ローソンの定番鍋焼きうどんは、利尻産昆布の繊細な旨味と削り節の香りを主軸に据えた、いわゆる「黄金色の関西風・淡麗だし」に仕立てられています。これに対し、関東風の濃口醤油やみりんの甘辛さがガツンと効いた黒いスープを想起して口にした消費者は、「パンチがない」「お湯で薄めたように味がぼやけている」というネガティブな錯覚を抱きやすい傾向があります。濃厚なジャンクフードや化学調味料の強い刺激に慣れた舌には、素材本来の出汁感が物足りなく映ってしまうのです。
第2の要因は、極めて物理的な問題である調理失敗による風味の劣化です。後述する火加減のコントロールを誤り、強火で一気に沸騰させてしまうと、デリケートな出汁の香気成分が一瞬で揮発し、煮詰まって塩分カドだけが残る無残な状態に陥ります。逆に加熱時間が短すぎると、うどんの芯まで熱が通らず、ボソボソとした粉っぽさが残ってしまいます。利用者が本来のポテンシャルを引き出せていない調理事故が、「まずい」という短絡的な口コミへと変換されている実態が見て取れます。
なお、ガツンとした濃厚な味わいを求める層の間では、ローソン限定で展開される「ナガラ食品監修 ホルモン鍋焼うどん」(税込538円)が絶大な支持を集めています。「ローホル」の愛称で親しまれる名物ホルモン鍋のノウハウを移植したこの商品は、ピリ辛の醤油ベーススープにホルモンの脂と旨味が溶け出し、定番品とは180度異なる暴力的な中毒性を放ちます。ローソンには「端麗な正統派」と「濃厚な刺激派」の双方が存在しており、自身の好みに合致しない商品を選んでしまったミスマッチも批判の温床となっています。