シュノーケリングとダイビングの違いは?深度・費用・失敗しない選び方
インターネット上の旅行ブログや掲示板では、一部の偏った情報が事実のように拡散されているケースが見受けられます。現場取材と専門的知見から、代表的な3つの誤解を是正します。
第一の誤解は、「シュノーケリングならライフジャケットなしで自由に泳ぐ方がかっこいい」という風潮です。SNS等で流行しているフリーダイビング風の写真を真似て、ライフジャケットを着用せずにシュノーケリングを行う事故が後を絶ちません。海上保安庁の統計でも、シュノーケリング中の死亡・行方不明事故の8割以上が「ライフジャケット非着用または不適切な着用」に起因しています。浮力体のない水面浮遊は、足の攣りや急な離岸流(リップカレント)に遭遇した際、即座に溺水へ直結する極めて危険な行為です。
第二の誤解は、「体験ダイビングをすればウミガメと並んでどこまでも泳げる」という幻想です。体験ダイビングは安全管理上、深度制限が5m〜12mと厳格に定められており、インストラクターの行動管理下に置かれます。海況や潮の流れ、参加者の呼吸ペース(エア消費量)によっては、海底の限られた砂地にとどまり、サンゴ礁の周りをゆっくり周回する程度でタイムアップとなるケースも珍しくありません。無限の自由を求めて参加すると、器材の重さと行動の不自由さに幻滅することがあります。
第三の誤解は、「シュノーケリングとダイビングは同じ日に連続してできるか」という疑問に対する安易な肯定です。ダイビングを午前中に実施した後に午後にシュノーケリングを行う場合、水面を激しく泳ぎ回る激しい運動によって血中窒素の気泡化が促進され、減圧症発症リスクが高まります。「ダイビング後の過度な運動は避ける」という原則を忘れてはなりません。