ロッテは日本企業か韓国企業か?複雑な資本関係と創業の真相を追う
こうした特異な歴史的背景から、ロッテは日韓両国の世論において複雑な立ち位置を強いられてきました。日本のSNSやネット掲示板、知恵袋などでは、定期的に「ロッテ製品の不買」を叫ぶ過激な言説が散見されます。
「ロッテのお菓子を買うと韓国に利益が流れる」「千葉ロッテマリーンズは実質的に韓国球団だ」といった主張は、ネット黎明期から今日まで繰り返し語られてきた典型的な言説です。しかし、流通アナリストや知恵袋の冷静な回答者が指摘するように、日本法人が販売する商品の原材料の多くは国内外の調達基準に則っており、利益の大部分も日本国内での事業再投資や納税、雇用維持に充当されています。
一方、興味深いことに韓国国内では正反対の現象が起きています。2019年に韓国で大規模な日本製品不買運動(NO JAPAN運動)が過熱した際、韓国ロッテは「日本に利益を送金している親日企業」「日本人一族が支配する会社」として激しい糾弾の標的となりました。韓国の国会聴問会に招致された重光昭夫氏が、流暢な日本語訛りの韓国語で答弁した姿は、当時の韓国世論に大きな衝撃を与えました。
日本側からは「韓国企業」と敬遠され、韓国側からは「日本企業」と非難される――この国家間の狭間で板挟みになる現象こそが、ロッテという企業が抱える独自の宿命といえます。