ビッグモーター役員の現在と真相|兼重親子のその後とウィーカーズ新体制
組織が再編されたとはいえ、不祥事の当事者たちに対する法的・金銭的責任が帳消しになったわけではありません。現在進行形で激化しているのが、損害保険各社からの損害賠償請求です。
損保ジャパン、三井住友海上、東京海上日動などの大手損保各社は、過去数年間にわたる不正請求額の確定作業を進め、数十億円規模にのぼる過払い保険金の返還請求を行っています。この請求の主たる窓口となっているのが存続会社BALMです。BALMの資産が尽きた場合、兼重親子個人の資産に対する責任追及が可能かどうかが、法曹界でも大きな論点となっています。
一方、世間が最も関心を寄せるビッグモーター役員の刑事責任については、捜査当局が慎重な姿勢を崩していません。街路樹問題に関しては器物損壊容疑などで関係店舗への家宅捜索や元店長らの書類送検が行われましたが、経営トップである兼重宏行氏や宏一氏への直接的な指示系統を刑法上の「詐欺罪」や「背任罪」として立件するには、法的に高いハードルが存在します。「個別の整備現場における不正をトップが具体的に共謀・指示していた客観的証拠」を積み上げることが極めて難しいためです。
現場で働く一般整備士や営業スタッフ、そしてかつての顧客の生の声からは、今も癒えない傷跡がうかがえます。
「自分たちは上からの理不尽な命令に従わなければ明日クビになる状況だった。現場の人間ばかりが泥をかぶり、巨額の資産を懐に入れた兼重親子が何の刑事罰も受けずに豪邸で暮らし続けているのは到底納得がいかない」(旧ビッグモーター整備士の告白)
「車検に出したら不要な工賃を水増しされていたことが後から分かった。返金手続きの案内は届いたが、BALMの手続きは煩雑で時間がかかる。役員たちは全財産を投げ打ってでも自ら被害者に頭を下げに来るべきだ」(SNS上に投稿された被害利用者の声)
現場と消費者に深い不信感を植え付けた代償は、金銭の返還だけで贖えるものではないことが痛感されます。