麹町中学校の現在と評判|定期テスト廃止改革のその後と進学実績の真実

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インターネット上で最も誤解されているのが、「定期テスト廃止=テストが一切なくなり、学力を測らなくなった」という俗説です。工藤前校長が掲げた定期テスト廃止の真の狙いは、「一夜漬けの暗記勉強をさせないこと」と「つまずいた生徒に何度でもやり直し(リトライ)の機会を与えること」にありました。

従来の中間・期末テストでは、3か月分の学習内容を一発勝負で評価するため、一度つまずくと挽回が難しく、テストが終われば知識が抜け落ちてしまうという構造的欠陥がありました。麹町中学校が導入したのは、単元が終わるごとに短いスパンで実施する単元テストと、納得いく点数が取れなければ再挑戦できる再テスト制度でした。

現在の評価システムは、この思想を基盤にしつつも、東京都の高校入試制度(調査書・内申点)に整合するよう調整されています。単元テストの頻度を適切に保ちながら、学期末の総合的な実力診断テストを組み合わせることで、「日々の学習の積み重ね」と「入試本番を想定した長文・複合問題への対応力」の双方を担保する仕組みです。

気になる進学実績ですが、懸念されたような学力崩壊は起きていません。千代田区という立地柄、教育熱の高い家庭が多く、小学生時代に中学受験を経験した生徒が一定数流入していることも背景にあります。都立の最高峰である日比谷高校をはじめ、戸山高校、西高校といった進学指導重点校への合格者を毎年安定して輩出。さらに、開成や慶應義塾、早稲田実業などの難関私立・国立高校への進学実績も堅調に推移しています。

ただし、現場の教員や塾関係者が口を揃えるのは、「学校の授業だけで難関校に受かるわけではない」という極めて現実的な事実です。麹町中の教育が育むのは「自分で計画を立てて学ぶ主体性」であり、入試特有の解法テクニックは大手進学塾(SAPIX、早稲田アカデミー、Z会進学教室など)で補完している家庭が大多数を占めるのが実情です。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。