映画『十三人の刺客』生存者は誰?結末の真相と新旧違いを徹底解剖

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2010年版『十三人の刺客』が日本映画史に残る傑作となった最大の要因は、豪華実力派キャスト陣による極限の演技合戦にあります。とりわけ、明石藩主・松平斉韶を演じた稲垣吾郎の怪演は、公開当時から映画賞を総なめにするなど社会現象的な絶賛を浴びました。

斉韶は、将軍の弟という絶対的な権力を傘に、無実の民を弓矢の的にし、家臣の妻を陵辱してその首を撥ねるなど、純粋悪そのものの暴君です。稲垣は感情を高ぶらせて怒鳴り散らすのではなく、澄み切った無表情と甘やかな声音で無邪気に残虐行為を命じる「幼児的万能感を持った狂気」を完璧に体現しました。当時の特別試写会や各種インタビューにおいて、共演者たちが「現場にいるだけで背筋が凍るほどの不気味さがあった」と口を揃えて証言している通り、邦画史上に残るヴィラン像を確立しました。

対する刺客側のリーダー・島田新左衛門を演じた役所広司の重厚な存在感も見事です。「大義のために命を捨てる」という旧来の武士道に縛られながらも、泰平の世で失われかけた侍の本懐を見出そうとする老練な武士の悲哀と凄みを、眼光と佇まいだけで表現しました。また、御徒目付組頭・倉永左平太を演じた松方弘樹の流れるような殺陣(たて)の技術は圧巻で、CGに頼らない本物の剣技の重みを作品に刻み込んでいます。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。