アメリカンコーヒーとは?薄い珈琲の誤解と本当の作り方・違いを徹底解剖
全日本コーヒー協会や老舗ロースター各社の技術資料が示す通り、本来のアメリカンコーヒーの定義は「浅煎り(ライトロースト〜ミディアムロースト)のコーヒー豆を使用して抽出した、苦味が少なく酸味の際立つコーヒー」です。決して抽出済みの濃い珈琲にお湯を足して嵩増ししたものではありません。
それにもかかわらず、「アメリカン=お湯割り」という俗説が日本全国に広まった背景には、昭和40年代から50年代にかけての純喫茶ブームがあります。当時、日本の喫茶店では深煎りの濃厚なドリップコーヒーが主流でした。そこへアメリカ西海岸から「軽やかな味わいのコーヒー」という概念が流入した際、浅煎り専用の豆や専用ミルを常備していなかった一部の店舗が、「通常の深煎りコーヒーをお湯で割って濃度を落とす」という簡便な代用法で提供したことが、誤ったイメージの定着につながりました。
本来の製法で淹れられたアメリカンコーヒーは、焙煎時間が短いため豆に含まれる糖質やクロロゲン酸が過度に焦げておらず、柑橘類を思わせる爽やかな酸味と澄んだ後味が最大の特徴です。苦味や渋みが極めて穏やかなため、ブラックでも喉ごし良く何杯でも楽しめる軽快な設計になっています。