ゆでたまごと吉野家の確執真相|絶縁から感動の和解に至る全経緯
嶋田氏が公の場やSNSで一連の経緯を告白した際、ネット上の反響はすさまじいものでした。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)や当時のブログ圏、黎明期のTwitter上では、「吉野家は恩を仇で返した」「倒産危機を救ってもらった相手にする態度ではない」といった激しい批判の声が巻き起こりました。
ネットユーザーや長年の読者がここまで感情的に憤った背景には、昭和のカルチャーシーンが持っていた「暗黙の互恵関係」に対する共感がありました。契約書で縛られた近代的なビジネスアライアンスではなく、クリエイターの「好き」という純粋な気持ちと、それに救われた企業の「感謝」という、人間味ある情義のストーリーをファン自身も共有し、愛していたからです。
知恵袋や掲示板のログを検証すると、「キン肉マンを見て初めて牛丼を食べに行った」「吉野家ファンになったきっかけはスグルだった」と語るユーザーが極めて多く存在していました。吉野家側のビジネスライクすぎる対応は、単に作家個人を怒らせただけでなく、作品を通じて牛丼を愛したファンコミュニティ全体の青春の記憶を否定されたかのような失望感を与えてしまったのです。