東京都プロジェクションマッピング費用総額は?巨額予算と批判の全貌
感情的なバッシングが先行する一方で、プロジェクションマッピング事業を巡る言説の中には、いくつかの誤解や事実の単純化が見受けられます。冷静な議論を行うために、以下の3つの盲点を正しく認識する必要があります。
1. 「都の一般会計すべてから支出されている」わけではない
本事業に充当されている財源の一部には、観光振興を目的として宿泊客から徴収されている「宿泊税」などの特定財源が活用されています。宿泊税は法的に使途が観光施策に限定されており、そのまま一般の福祉施策や災害復興基金に全額スライドできるわけではありません。もちろん「観光施策としての優先順位」は問われるべきですが、生活福祉予算を直接削ってプロジェクションマッピングに注ぎ込んでいるという言説は制度上の事実と異なります。
2. 1日213万円の内訳には「将来の更新費用」も含まれる
日割計算の「1日213万円」というセンセーショナルな見出しは強い印象を与えますが、これには日常の電気代(電気代自体は1上映あたり数千円〜1万円程度)だけでなく、機材の定期オーバーホール、ソフトウェアの更新ライセンス、新規コンテンツの制作準備費用が平準化されて計上されています。単に「電気を点けているだけで毎日213万円が消えている」という認識は技術的実態と乖離しています。
3. 経済波及効果の試算方法におけるギャップ
都が発表する東京都プロジェクションマッピング経済効果の試算では、観覧者が新宿周辺で宿泊・飲食・買い物を行うことによる経済波及効果が年間数十億円規模にのぼると試算されています。しかし、この試算に対しては「もともと新宿に宿泊している観光客がついでに立ち寄っただけであり、マッピング上映そのものが新規の消費を創出しているとは言い切れない」という経済アナリストの指摘も根強く、数字の信憑性をめぐる議論は平行線をたどっています。