水産大学校の就職が凄い理由とは?偏差値や学費と一般大学との違い
受験戦略の観点から水産大学校を見る際、最大の魅力とされるのが「大学入学共通テストが原則として課されない」点です。国公立大学志望者が直面する5教科7科目〜8科目の膨大な勉強量を回避し、水産大学校独自の個別学力検査(数学、理科、外国語など学科ごとの指定科目)に集中して対策できるルートが用意されています。
しかし、ここに多くの受験生が足元をすくわれる落とし穴があります。旺文社等の入試情報データで示される見かけの偏差値(40台前半〜50程度)を鵜呑みにして「滑り止めとして容易に合格できる」と侮ると、痛烈な不合格通知を受けることになります。その理由として以下の2点が挙げられます。
第一に、実質倍率の高さです。共通テストを課さない日程があることや、国公立大学との併願が日程的に可能であることから、全国から水産・海洋分野を本気で志望する受験生が殺到します。学科や入試日程によっては倍率が3倍から5倍近くに達することも珍しくありません。
第二に、個別試験の記述力と専門志向の厳格な審査です。個別試験の理科や数学は決してマークシート式の表面的な知識では太刀打ちできず、論理的な思考プロセスを記述させる問題が出題されます。さらに、推薦入試や総合型選抜、一般入試の面接試験においては、「なぜ一般の総合大学ではなく、下関の水産大学校でなければならないのか」という志望動機が極めて深く追究されます。水産業界の構造的課題や海洋環境保全に対する自分なりの問題意識を持たない受験生は、面接の段階で確固たる熱意を見抜かれてしまいます。