野口鮮魚店なぜ大行列?本所吾妻橋の海鮮丼の実力と混雑回避術
SNSやレビューサイトを子細に分析すると、「数年前に比べて盛りの量が落ち着いた」「ウニの仕入れがない日がある」といった変化を指摘する声が散見されます。この点について、単なるクオリティ低下と受け取るのは早計です。
近年の水産業界は、海水温の上昇に伴う漁獲魚種の激変、燃料高騰による輸送コストの急上昇、歴史的な円安による海外買い付け競争の激化など、未曾有の荒波に直面しています。都内の多くの海鮮料理店が価格を1.5倍から2倍に引き上げるなか、野口鮮魚店は「下町価格で本物の魚を腹いっぱい食べてほしい」という理念のもと、限界まで販売価格の上昇を抑える企業努力を続けています。
仕入れ値が高騰しすぎた高額ネタを無理に盛り込んで丼全体の価格を吊り上げるのではなく、その日に市場で最も脂が乗り、適正価格で仕入れられた良質な魚を代替して組み合わせる。ウニの有無や細かなネタ構成に日ごとの違いがあるのは、冷凍の輸入加工品に頼らず、「生鮮の天然魚を豊洲で毎朝仕入れている証拠」にほかなりません。日々の仕入れ状況による一期一会の味を楽しむ姿勢こそが、同店を真に楽しむ秘訣です。